特集 わかる授業の技術
学生による授業評価
米谷 淳
1
1神戸大学大学教育研究センター
pp.762-765
発行日 1999年10月25日
Published Date 1999/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663902128
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授業改善に生かされてこその授業評価
評価は仕事の優劣をつけたり,人を選別するためだけにあるのではない.評価には比較,順位づけ,選別以外にも大切な働きがある.評価は,仕事を動機づけ,よい行動や習慣を強化し,現状のアセスメントや診断として問題発見に寄与し,新たなアクションのプランニングの基礎となるデータを提供する.さらに,よい評価を得たことを外部にアピールしたり,外部から繰り返しよい評価を得ることができれば,仕事や製品の品質保証となり,社会的に信用されるようになるし,高い評価によって名声や評判を生むことになれば,職場集団のプライドが高まり,チームワークもできてくる.この他,評価には現場のデータを提供することでリサーチを推進させる働きもあるが,本来,評価は人を伸ばし,仕事や細織を改善するためになされてこそ意味があると考える.
授業評価は授業改善に生かされてこそ意味がある.本稿では,授業評価を授業改善の一環と見る立場から,授業を改善し,教員の教授者としての資質を高めるために,学生による授業評価を生かすためのポイントを述べる.
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