Scramble Zone
看護の質を維持向上するためのシステムについて―日中の看護教育制度・看護管理
梶山 祥子
1
,
巩 玉秀
2
,
井上 和子
1
,
塚田 縫子
1
,
佐鹿 孝子
1
,
大木 伸子
1
,
高橋 正子
1
,
風岡 たま代
1
,
斉藤 益子
1
,
五島 瑳智子
1
1東邦大学医療短期大学
2中国衛生部医政司
pp.682-690
発行日 1998年8月25日
Published Date 1998/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663901902
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
今日,医学および医療技術の進歩発達により医療の高度化・専門分化が進むなかで,看護もまたより高い力量が要求されている.高齢人口の増大と疾病構造の変化は,施設医療・看護から在宅医療・看護へと対応領域を拡大し,看護職が,関連する多くの他職種の専門家とともにチームを組み,責任を分かち合って働く状況を作り出している.社会の高学歴化と健康に対する関心の高まりは,専門職業人として高い資質を備えた看護職を求めている.このように,看護職集団としても看護婦個人としても,より高い看護の質と力量の保持向上が必要であり,そのためのシステムが早急に整えられる必要がある.
本学では1987年以来,中国衛生部をとおして中国との看護交流を行なってきた.1996年,筆者らは「看護職の継続教育」について,中国の8省の衛生庁医政処の看護職の方々と5回にわたって懇談する機会を得,「看護の質を維持向上するためのシステム」について看護婦の国家免許,看護継続教育,病院監査と看護監査等の情報を交換した.中国と日本は歴史も,また現在の社会体制も異なるのみならず,国土面積や人口数が桁違いに異なっている.しかも得られた情報は中国の23省,5自治区,3直轄市のうちの8省の状況であり,各省から8人の方々の3か月の研修中に,通訳を通して聞き得た情報であるという限界があるが,われわれにとって非常に新鮮かつ有益であった.
Copyright © 1998, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.