特集 准看制度廃止への展望—看護の質の向上を目指して
真の看護の質の向上のために
岩崎 エイコ
1
1京都府立医科大学付属病院看護部
pp.926-930
発行日 1976年9月1日
Published Date 1976/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661917969
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はじめに
福祉国家に移行せざるをえない現代の日本において,医療に関する社会の要望は日ごとに増大し,とりわけ看護婦問題は重大な課題となっている.こうした状況の中で日本看護協会は,看護の質の向上と量の不足に対する解決策として,准看護婦制度廃止を中心とする改善案を打ち出した.
確かに准看護婦制度に関しては,10年来模索されてきたことであり,制度出現の25年前から多くの問題を含んできたし,その対策は遅々として進展せぬようにみえる.しかし突然それらに終止符を打つかのごとく登場した廃止案は,余りにも性急すぎると思われる.日進月歩の医学とともに,看護もまたレベルアップを余儀なくされているが,日本における看護の歴史は浅い,その中で1つの制度を確立するには,かなり長い歳月が要されるべきであると思う.
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