調査研究
血圧測定技術教育に関する研究―第4報 最低血圧測定値の信頼性
林 文代
1
,
辻川 真弓
1
,
杉浦 静子
1
1三重県立看護大学
pp.692-695
発行日 1998年8月25日
Published Date 1998/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663901904
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
看護婦による血圧測定値の誤差は医師によるそれと比べて大であるとされている1).筆者らは,この誤差を複数測定者による測定値一致性の問題として検討してきている.その一部として,「血圧が測りにくいこと」と「測定値が一致しにくいこと」との関係について検討した結果を前報で報告した2).すなわち,最高血圧においては,測定難易程度と測定値一致度との間に有意な正の相関が得られたのに対し,最低血圧においては,両者の間に有意な相関を認められなかった.したがって,最低血圧においては,測定しにくいことさえ解決すれば,測定値の信頼性が高まる,と言うほど単純ではないことになる.
本報では,最低血圧関連属性のなかのいずれが測定値一致性に関与する要因であるかを明らかにして,それへの技術教育をどのようにすべきかを導き出そうとした.
Copyright © 1998, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.