実践報告
在宅看護論における生活(過程)をとらえる教育の課題―訪問看護実習でのKOMIチャート分析より
柳原 清子
1
1日本赤十字武蔵野短期大学老人・在宅看護学教室
pp.376-379
発行日 1998年5月25日
Published Date 1998/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663901833
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本学では新分野「在宅看護論」の授業科目名を「在宅ケア論」とした.在宅は居宅を意味するのではなく,生活の場としての地域を意味し,ケアは看護ケアのみならず,地域における医療・保健・福祉の包括的ケアを学ぶ教科として命名した.「在宅ケア論」は「在宅看護論」「地域保健学」「福祉保健行政論」から構築され,「在宅看護論」の概念枠組みは「家族看護」「継続看護(ケアマネージメント)」「訪問看護」から成り立たせた1).
在宅看護の対象者は,単なる療養者(虚弱者)や障害者およびその家族ではなく,生活の場で日常の生活を営む「生活者」である.したがって対象の生活をとらえる教育が重要であることはいくら強調しても言い過ぎることはない.だが,具体的に看護の視点でとらえる生活の中味とは何であろうか,生活をとらえるとは対象の何を見つめることなのだろうか?この疑問への答えを模索する中で,ナイチンゲール看護論をベースにした生活過程アセスメント指標である「KOMIチャート」2)を知った.そこで,生活をとらえる教育に有効ではないかと考え本学の訪問看護実習の記録にこのKOMIチャートを使ってみた.
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