Scramble Zone
「KOMIチャートシステム」導入によって変容した学生たち
矢口 久実子
1
,
坪屋 悦子
1
,
金井 一薫
2
1足利短期大学看護科
2日本社会事業大学
pp.218-224
発行日 2000年3月25日
Published Date 2000/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663902229
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看護の視点が明確に
KOMIチャートは,平成6年以降,金井一薫が中心となり,厚生省の“老人保健事業推進費等補助金”を活用して進められた研究の結果,開発された生活過程評価チャートである.これは対象者の「認識面」と「行動面」を同時にアセスメントできるものであるが,昨年開発された「KOMIチャートシステム」においては,それらの2側面の他に,「身体面」のチェックができる「KOMIレーダーチャート」が追加されている.このことにより,「KOMIチャートシステム」には,人間を丸ごと把握する視点が存在することになり,かつ対象者の状態を視覚的にとらえることが可能となった.
看護教育において,殊に実習教育においては,教育の大前提として,学生に対象者の生活過程を整えるという看護の視点で見つめさせることは不可欠な要素である.しかし,定められた時間の中で,このテーマを実現するためには,いくつかの大きな壁がある.加えて,アセスメントした後,何を,どのように整えれば看護になるのかを,事例ごとに異なる患者状況を通して,きっちりと教えることは,困難を伴う.
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