連載 いま,アメリカの看護教育では・7
臨床実習
阿部 俊子
1
1イリノイ大学シカゴ校看護博士課程
pp.828-831
発行日 1996年10月25日
Published Date 1996/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663901469
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アメリカの看護大学(アラバマ大学,イリノイ大学)での看護実習の個人的経験で学んだことがいくつかある.まず,学生の積極性と自主性が尊重されているということだ.学生は日勤シフト(午前7時から午後3時が通常)で実習を行なうことが多い.その日勤シフトの申し送りを聞くのに,朝6時30分には病棟のカンファレンス室にいなくてはいけない.前日には学生はカルテなどから患者の情報収集を行なっていて,担当患者をすでに決定している.患者との挨拶もすませている.アメリカの病院では患者の在院期間が短いので,2週続けて同じ患者が担当できるということはあまりない.
学生の担当患者の決定過程は様々あるが,担当可能な患者のリストは,病棟スーパーバイザーもしくはチャージ・ナース(日本のリーダー)と相談して,学生のレベルにあわせて教員があらかじめ担当可能な患者リストを作り,学生と教員が相談して決定する場合が学部の学生の場合には多いようである.これは看護学部の高学年になるほど自由決定になっていく.
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