さようなら，ヴァージニア―V. ヘンダーソンの追悼式に列席して

はしがき

　Virginia Avenel Henderson（November 30，1897-March 19，1996）は27か国語で出版された世界の看護教科書『看護の基本となるもの（Basicprinciples of nursing（1960，1972）』や『The Nature of Nursing（1966）』等の著書で，20世紀における世界の看護の基礎をかためた人である．コロンビア大学で18年過ごしてから，1953年エール大学の研究員（research associate）となった．その時点で看護研究を一体化するため19年計画で5巻に渡る『Nursing Research：Survery and Assessment（written with Leo Simmons，1964）』と4巻の「Nursing Studies Index（1963，1966，1970，1972）』を完成させた．これらの研究はヘンダーソンの看護学発展への最大の貢献とされている．それだけではない．76歳になったヘンダーソンは第6版の『Principles and Pracitices of Nursing』にとりかかり，82歳で完成させた．この『看護の基本となるもの』は日本の看護教育界で広く愛用されている教科書である．