特集 人間関係を学ぶワークショップ
自己および他者受容を向上させる体験学習―コミュニケーションワークショップの体験効果に関する一研究
山田 洋子
1
,
犬塚 文雄
2
,
稲垣 應顯
3
1新潟県立看護短期大学
2上越教育大学
3新潟中央短期大学
pp.439-444
発行日 1996年6月25日
Published Date 1996/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663901385
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はじめに
筆者らは,看護職を目指す学生にとって,科学的根拠に基づく知識・技術の習得とともに自己受容や他者受容,またグループコンセンサスの向上が,援助コミュニケーションにとって重要な資質であると考えている.そこで,カリキュラムに位置づけられた2泊3日の学年研修において,“体験学習を通じて自己および他者を見つめさせる”学習課題を設定した.同様の課題意識による研修は,これまでにも数多く報告されている(阿部ら,竹内ら).ただし,従来の研修が既成のプログラムをそのまま適用して行なわれていたことに対し,筆者らは先に掲げた,援助コミュニケーションの3つの基本要件について.独自の体験学習プログラムを構成し,効果の検討を行なっている.
効果の測定は先行研究では,単一のスケールで行なっているケースが多い.そこで本研究では,質問紙法(OKグラム)の他に文章完成法(sentencecompletion test,以下SCTと略)・バウムテストという投影法による尺度を取り入れたテストバッテリーを組み,より多面的な効果測定を行なった.このテストバッテリーは,主にパーソナリティの表層部分を測定するOKグラム,中間層を測定するSCT,深層を測定するバウムテストから構成されている.
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