Japanese
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研究と報告
自己中心的な体験系と他者中心的な体験系について—構造主義的考察
Sur le syndrome égocentrique et le syndrome exocentrique
塚本 嘉壽
1
Yoshihisa Tsukamoto
1
1愛知教育大学保健管理センター
1Université pedagogique d'Aichi, Centre de la santé
pp.749-755
発行日 1976年7月15日
Published Date 1976/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405202508
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I.はじめに
この小論は自己漏洩症状6)を主とするいわゆる他者中心的(exocentrique2))な体験系と,影響症状を主とする自己中心的(egocentrique)な体験系とがもつ対極性の意味について,主として構造主義的見地から若干の考察を試みようとするものである。ここでいう「他者中心的」体験系とは,自己の存在ないし属性が外界(主に他者)に悪い影響を与えてしまうという形式をとった一群の異常体験を指し,「自己中心的」体験系とは,逆に自己が外界から侵襲されるという形式をとった一群の異常体験を指す。症例としては,他者中心的体験系に属するものの例として自己視線恐怖,自己臭恐怖,自己漏洩性分裂病,自己中心的体験系に属するものの例として不潔恐怖,影響症状を主とする分裂病を,各1例ずつ記載することにしたい。
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