特集 精神分裂病患者への技術論
私の技術論
岡田 靖雄
1
,
佐藤 一守
2
1東大病院精神神経科
2烏山病院
pp.38-39
発行日 1971年2月10日
Published Date 1971/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662204847
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1.分裂病とはどういう病気か,ときかれると,いまのわたしのレンズはきっちり焦点をむすぶことができません。松沢時代に机をならべる光栄に浴させてくれた立津先生(現熊本大教授)は,分裂病であった患者さんの脳の神経線維に変化がみられることを,はっきりみせてくれました。また,分裂病の患者さんは,対人接触・感情面の障害を目安にして診断できるし,なおったばあいもなんらかの程度にその障害はのこります(それがするどい目によってしか気づかれぬ程度であることも可能ですが)。
同時に,いわゆる欠陥がごくひどい終末状態に固定されていた患者さんが,臨床的になおりうるものであることも,体験してきました。一方では,分裂病の症状とされる心理が,自分の心のなかにひそんでいることにも気づいています("わたしの分裂病")。
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