連載 癒しの環境・15
抑制
高柳 和江
1
,
クミコ・クリストフ
1日本医科大学(医療管理学教室)
pp.174-175
発行日 1996年3月25日
Published Date 1996/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663901327
- 有料閲覧
- 文献概要
看護教育の12月号で,抑制の特集があった1).この特集の中で,婦長の田中さんは「看護婦としての誇りにかけて抑制はしない」と,書いている.ところが,神奈川県茅ケ崎市の精神病院で,暴れたために抑制された精神病患者が死亡するという事件がおこった(朝日新聞1996年1月12日).
抑制される理由は,1.他人に危害をおよぼす可能性,2.自傷の可能性,3.安静が必要だが,自制不可能で事故の可能性(小児への注射,夜間就寝中に点滴を抜くなど),4.社会的な適応(徘徊など),5.介護者の便宜,と考えられる.実際に老人病院などで行なわれているのは,5.介護者の便宜で,事故の可能性と社会的な適応を隠れみのにしていることがあるのではないだろうか.
Copyright © 1996, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.