特集 クオリティオブライフとPOS―第16回日本POS医療学会報告
一般演題Ⅲ:POSと診療録・看護記録
医師と看護婦の記録の共有を試みる―個別性のある患者教育をめざして
澤田 孝子
1
,
伯野 睦子
1
,
辻畑 博子
1
1山口大学医学部附属病院
pp.1014-1016
発行日 1994年11月30日
Published Date 1994/11/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663900999
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はじめに
当科では,入院患者のほとんどが慢性心疾患患者のため,退院後のQuality of lifeの向上を目的に,入院当初から患者教育に積極的に取り組んでいる.個別性のある患者教育をするためには,患者の多方面からの情報が必要となってくる.情報収集の方法として記録があるが,当科では今まで医師と看護婦の記録は別々であった.そのため,情報に片寄りが生じたり,同じ情報を患者から提供されても,聞く側の情報の捉え方の差から,その情報への対処方法の違いが生じることがあった.
そこで,従来の記録方式に変わって,医師と看護婦が記録を共有するならば,お互いに必要な情報が多く把握でき,患者の全体像がよりわかりやすくなることで,患者を多面的に捉え,患者のニーズにそった教育ができるのではないかと考え,記録の共有を試みたので,その効果とともに若干の考察を加えて報告する.
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