NURSING EYE
よりよい実習指導体制の確立を目指して―職場の教育的環境への変革による効果的な実習指導体制を考える
永見 瑠美子
1
1益田赤十字病院看護部
pp.386-390
発行日 1994年5月25日
Published Date 1994/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663900845
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はじめに
「21世紀に向かって期待される看護職者」の育成を目指して,看護教育におけるカリキュラムが約20年ぶりに改定され,その教育による2回目の卒業生を送り出した.カリキュラムそのものは時代と入々のニードに対応した内容となったが,実習時間は大幅に短縮された.実習の学習到達目標はより高いレベルを求められていて,これまで以上に学校の教員と臨床指導者の役割は重要となってきている.そこで,こられの改定の主旨を踏まえて効果的に実習が展開できるためには,臨床実習を引き受ける側としてその職場環境がよき後輩を育てていくシステムであるかどうかがその鍵を握っていると言える.患者に責任を持ち,主体的にかかわりのできる看護は,継続して1人の患者をケアできるシステムづくりができてこそ可能である.従って,その施設の看護理念および看護提供方式は,看護学生の実習指導に大きな影響力を持つと考える.
最近の実習施設の状況は,卒後教育の重要性と期待によって教育に多大な時間を費やす傾向にある.にもかかわらず,異動の激しい職場では新人が職場に適応するのを待たずして退職が相次ぎ,人手不足の状況を呈している.一方,看護学校は看護婦不足対策として養成数を最大限に増加した.いきおい1看護単位ごとの実習学生受入数が増え,1人の1臨床指導者では対応できないという問題を抱えている.
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