連載 人間と教育・11
問題解決学習の重要性
上田 薫
1
,
加藤 由美子
1前:都留文科大学
pp.804-805
発行日 1993年11月25日
Published Date 1993/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663900686
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このごろ教育方法として問題解決学習が注目をあびている.たんなる指導技術ではなく,民主主義教育にとって不可欠の重要性をもつものであるから,正確な理解が必要である.それと対立する系統学習が30余年全盛を誇ってきたのに対し,ようやく今復活のきざしを見せてきた.
問題解決学習は本来社会科のものであり,他の教科の場合は問題解決的学習とよぶのが正しいであろう.戦後新教育が発足したとき,新教科社会科は経験主義の問題解決学習をひっさげ,中心的存在としてはなばなしく登場した.その考え方は教育の全般に通じ核心となるものであった.しかし,やがて政治の世界に保守の一党独裁が始まると,一部の熱心な教師を除きその志は衰弱して,保守派のみか革新派をも支配した系統学習の力に屈する結果となったが,その後年久しい雌伏ののち最近の世界変動に際会して,今またよみがえりつつあるということである.
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