連載 できることをできるだけ 臨床からのメッセージ・9
いのち,ください
小笠原 望
1
,
藤田 悌子
2
1高松赤十字病院神経内科
2小野市民病院
pp.682-683
発行日 1993年9月25日
Published Date 1993/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663900660
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この頃西川さんが元気だ.車椅子でトイレにも行き,同室の患者さんとも談笑しているのをよく見かけるようになった.
「先生,家に帰りたいんです.いつ帰れますか?」と,回診のたびに質問を受ける.ちょっと前までは,個室で部屋を真っ暗にして,食べず動かずしゃべらず,じっとベッドのそばの扇風機(冬の間も回り続けていた)の方を向いて過ごしていた.「あの頃とは同じ人とは思えないね」と,看護婦さんたちとナースステーションで話題になっている.
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