特集 改めて癒しの環境を問う
環境デザインと癒しの環境
清水 忠男
1
1千葉大学工学部デザイン工学科
pp.829-831
発行日 1999年9月1日
Published Date 1999/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541902794
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環境デザインの考え方
「環境」は私たちを取り巻く状況のことだ.地球という自然はもちろんのこと,社会や文化も私たちにとっての環境であるし,住居や都市のように人間が自ら計画し,作り上げる空間状況も環境に他ならない.「デザイン」のほうは,与えられた条件を基に目的の達成を目指して計画し,設計することである.したがって,「環境デザイン」とは,自然や社会などの様々な状況を勘案しながら,人間のための空間状況を計画し設計することになる.
環境デザインには,次のような段階があると考えられる.1)健康に生きられる持続可能な環境の確保を目指す,2)障害のない便利で快適な環境づくりを目指す,3)心の交流の図れる環境づくりを目指す,4)楽しむことのできる環境づくりを目指す.これらのすべてに配慮してデザインが進められれば理想だが,実際のところはなかなか難しい.そこで,規模の大きい対象の場合には,それぞれの段階に焦点を当てた専門家によるコラボレーションによってプロジェクトを進行させることが多い.
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