連載 今日から始めるDevelopmental Care 一歩先行く援助者を目指して・4
動的環境と静的環境
森口 紀子
1
,
内田 美恵子
2
1神奈川県立こども医療センター
2長野県立こども病院
pp.648-653
発行日 2005年7月1日
Published Date 2005/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665100247
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赤ちゃんを取り巻く環境
前稿では,赤ちゃんのストレスサインと安定化のサインに着目してきましたが,今回は,それらに影響する赤ちゃんを取り巻く環境について考えていきたいと思います。
新生児医療の進歩は,1,000g未満で生まれた赤ちゃんの生存率の約90%を可能にしてきました1)。しかしながら,超低出生体重児の予後的なことをみていくと,明らかな神経学的障害による脳性まひなど以外でも,微細な神経発達的問題を抱えていることがわかってきました。本邦で1998年に行なわれた9歳児の予後の研究によると,微細運動障害や注意欠陥多動障害などが注目されており2),学校や社会生活への適応の問題が表面化しています。そのような経過から前号までに述べたように,赤ちゃんの神経行動学的な側面が注目され,NICUの環境が取りざたされてきました。
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