特集 いま,排便介助を問い直す
[ナースの床上排便体験記]“個”が尊重されるとは—入院体験から床上排泄を考える
橋本 きみ
1
1北海道立江差病院
pp.234-235
発行日 1991年3月1日
Published Date 1991/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661900342
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私の職名は総看護婦長,地域の小さな病院なのだが,センター病院としての役割を持つので,いろいろな仕事に追われる.中でも最優先して取り組まなければならないのが看護職員募集で,道内はもとより本州にも足を延ばしている状況にある.
足を使って走り回る私が,先頃,手術とリハビリのために3か月間入院しなければならなくなった.過去に1か月の入院経験があるが,それは内科の検査が中心だったので,不自由をあまり感じないで過こすことができた.しかし,今回は変形性股関節症で臼蓋形成術を行ない,術後3週間は床上での生活を強いられるという,丸こと身体を預ける体験であった.これまでは援助する立場から“個を尊重した援助”が求められる,と主張してきたが,今度は援助を受ける側から見た時どう映るのかを体験できた.
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