調査・研究 文献査読の方法・2
「ガイドを用いた読み方」と「ガイドを用いない読み方」の比較
山元 由美子
1
,
見目 節子
2
,
芦川 恵子
3
,
佐々木 百合子
4
,
稲桝 直子
5
,
藤田 八重子
6
1東京女子医科大学病院
2善隣基督教会附属尾竹橋看護学院
3稲田登戸病院
4三楽病院
5慶應義塾大学病院
6昭和大学医学部附属看護専門学校
pp.128-131
発行日 1993年2月25日
Published Date 1993/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663900533
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研究をするのに文献の活用は不可欠である.しかし,実際には文献を体系的・科学的・建設的に読むより,こだわっている言葉や内容に引きずられた主観的な読み方をしてしまう傾向がある.これは,研究科注1)に在学し研究を進める中で痛い程自覚させられた.卒業後各々が実践の場に戻り,実際に研究や学習会を続ける上で,短い限られた時間内に効果的で的確な文献の選択と査読の必要性に迫られた.これとあいまって文献の選択や査読力を付けるのに学習会注2)を続けてきた.文献を妥当に読むのになんらかの査読のガイドが必要と考えるが,その具体的な方法を明らかにしたものは少ない.もし査読のためのガイドがあるとそれに基づき文献の内容を網羅して読むことができる.また,各々の傾向がわかったり,査読を繰り返し訓練することにより文献の査読能力の向上にも結びつくと考える.
私たちは的確で効果的な査読ができるよう学習会を続け,査読のためのいくつかのガイドを作った.今回,そのうちの1つ(表1)を用い査読をし,体系的・科学的・建設的な読み方が身についたかどうかを明確にすることを試みた.学習の経過は前号(看護教育34巻1号)の表1,2に示したので参照していただきたい.
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