調査・研究
研究の基礎として“論文の読み方”を指導して―適切に評価できることが研究の第一歩
浅田 昌古
1
1玉島病院附属看護専門学校
pp.690-695
発行日 1992年9月25日
Published Date 1992/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663900453
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
研究目的
平成2年度からの新カリキュラムにも,看護研究の基礎として,①文献検索と活用,②論文の読み方等の項目が,位置付けられている.筆者は看護研修学校の研究科に在学中,論文査読について学んだ.文献を批判的に読めること(評価能力)と,自己の研究を仕上げることの関連に気付いていた.看護研究指導は,筆者にとっては最も関心のある課題であった.本校での,学生の研究と評価との傾向では,指導者と学年ごとで,評価の傾向が異なっていた.研究を実践した学生で,相互評価が高い学生は,他の学生を厳しく評価する傾向にあり,相互評価の低い学生は,級友を甘く評価する傾向にあった.
本校の研究の特徴としては,「はじめに」と「文献調査」の評価が他校と比べて悪く,今後の指導者の課題となった.多方面の,適切で肯定的な評価が,学生の研究意欲を燃やし,良い動機づけとなって研究を完成することにつながったことが明らかになった.竹尾は看護教育研究に関して,実習以外の教育方法や評価に関するものは少ないと述べている1).井上らは,10数年継続した「学生の看護研究の授業展開」の一部として論文検討の有効性を述べている2).
Copyright © 1992, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.