講座 研究論文の読み方・第3回
量的研究論文の読み方
籔脇 健司
1
Kenji Yabuwaki
1
1吉備国際大学
pp.1146-1149
発行日 2013年9月15日
Published Date 2013/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001100272
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Key Questions
1.作業療法における研究とは?
2.量的研究の質とは何か?
3.量的研究をどのように読むのか?
サイエンスとアート
一般のOTの大多数は,「研究=量的研究」というイメージをもっているのではないだろうか.研究には,質的研究,文献研究,理論研究等,さまざまな方法があるが,日本の作業療法が1960年代に米国から輸入されて以来,作業療法研究は要素還元主義という考え方を採用する量的研究が主流であった.要素還元主義とは,ある現象を,それを構成する要素に分解し,一部の要素の関係を明らかにすることで,現象の成り立ち全体を理解しようとする考え方である.
エビデンスに基づいた実践(evidence-based practice:EBP)においても,量的研究の代表的な手法であるランダム化比較試験(randomized controled trial:RCT)による結果を最良の根拠としている.すなわち,作業療法のサイエンスの側面1)を重視し,作業療法が科学であることを主張する立場からすると,「研究=量的研究」は正しいイメージである.
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