特集 学生と看護診断に取組もう
看護診断の考え方と教育上の課題
松木 光子
1
1大阪大学医療技術短期大学部
pp.11-15
発行日 1992年1月25日
Published Date 1992/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663900322
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はじめに
昨年は“日本看護診断研究会”の設立総会と第1回学術集会があったせいか,看護診断で暮れたように思う.今,臨床の現場では,患者のQOLを求めて的確な臨床判断とコミュニケーションの必要から,看護婦の一部の人たちは非常に熱心に看護診断に取り組んできている.しかしながら,まだ不十分な概念の理解や未熟な方法論の修得がやたらと眼につくのも,一般的現実であるようである.
このような現実をふまえて,私への課題を検討したいと考えている.しかし,わが国の場合,看護教育においては長年,“総合看護のできる看護婦養成”がめざされてきたという経過がある.したがって,看護過程や看護計画にはこれまで力を注いできたはずである.看護過程の内部過程にすぎない問題の明確化や看護診断についても,すでに教育はよく浸透しているとも考えられる.
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