特集 看護学生のこころの問題を探る
学生相談にみる現代学生像―最近の事例の特徴から
平野 馨
1
1慶応義塾大学学生相談室
pp.459-463
発行日 1991年8月25日
Published Date 1991/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663900238
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わが国の教育制度は,中学までは義務教育として全員が教育を受ける権利があり,100%就学が憲法によって保障され,その後,どのような進路を歩むかは本人の選択にまかされている状態にある.しかしこの年齢段階では,未発達・未経験な側面が多く残されていて,自分の将来を現実的にイメージしたり,そのための段取りを立てるにはまだ不十分である.
今日,高校への進学率は95%を越え,生徒各人は高校時代のこの時間を活用して学科目の特徴や内容を研究し,自分の得意な分野ややってみたい方向を考えたり,さらにさまざまな資料を求め,両親や先生の意見を参考にしながら,将来の進むべき道を確かめることが望ましいし,それが本来の姿であろう.高校生活では自分の将来への可能性を,また何を専門とするかを広く見渡す時期になることが理想であると思う.
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