特集 看護と情報教育
看護情報学のカリキュラム
森山 芙佐子
1
1埼玉県立常盤女子高等学校
pp.326-339
発行日 1991年6月25日
Published Date 1991/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663900216
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はじめに
この研究をはじめた動機は,1989年3月,新高等学校学習指導要領が告示され,看護の教科に新科目「看護情報処理」が設置され,移行措置の1990年4月より適用されることになったことにあります.高等学校の衛生看護科では他の看護課程に先がけて「看護情報処理」を教科として取り入れなければならなくなりました.そこで看護の分野において,コンピュータをどのように利用し,発展させるべきなのか,つまり「看護情報学」を教える意義,その内容について検討しました.
コンピュータは大量のデータを高速に処理する機械であり,それを十分に利用するためには,単に情報処理だけの操作技術教育だけに終わって,情報を活用するという教育がなおざりになっては困るはずです.情報学を教育するには,情報とは何か,情報の意味,意義をまず理解しなければならず,情報を処理するだけでなく,活用しなければ役に立つことにはならないはずです.真の意味での情報処理を考えると,技術教育に情報学的領域を含めた教育ということになります.看護を効率よく行なうために,コンピュータの特徴を踏まえた利用がどうあればよいのか,また,教育内容をどのように進めるのがよいのか,研修の機会が与えられ,何とか目鼻がつきましたので,その成果を述べたいと思います.
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