連載 ことば
学習
都留 春夫
1
1聖路加看護大学大学院
pp.193
発行日 1991年4月25日
Published Date 1991/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663900189
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教育のいとなみにおいては,教師がいかに教授するか,ということより,学生・生徒がいかに学習するか,ということのほうが,より重要な要素であることは言を待たない.
学は學の略字で,古文ではさらにその右側に「支」という字が付されていたという.「教」の左半分が学と同じであるというから,結局「学」と「教」の元の字は同じだったということになってしまう.「学」のもともとの意味は「ナラフ(倣う)」だから,模倣すなわち真似をすることで,邦語の「まなぶ」―マネブ(真似ぶ)」―と同じ意味をあらわしている.「教」は「まねをさせる―まなばせる―」ことであり「学」は教えをうけて無知を開く,すなわち,まねをし,さとり,また会得することだといえよう.
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