特別論考
話し合える間柄になる
都留 春夫
1
1聖路加看護大学大学院
pp.535-542
発行日 1990年9月25日
Published Date 1990/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663900090
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はじめに
ヒトは人と人の間に生まれ,人びとの中で育つことによって人間になっていきます.ひとりでは生きていけない人間にとって,ひとと話し合えるというのは必要不可欠なことです.教師と学生,親と子,上司と部下,同僚間,仲間同士,あるいは,患者と看護婦または医者,看護婦と医者など,どのような組み合わせにしても,「話し合える間柄」にならなければ人間関係の深まりを望むことはできません.
ただのおしゃべりではなく,ひとり勝手でもなく,大切な間柄にある人と,お互いに,こころから話し合えるようになるのには,誰にとっても努力が必要ですし,練習がいります.また,自信と勇気が必要なこともあります.「自分」を,そして「ひと」を信じることができなくては,とうてい「よい」「深い」「意味のある」話し合いをすることはできません.
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