特集 カリキュラムを考える
方向づけの定まった一貫したカリキュラムを
矢田 真美子
1
1慶応義塾大学附属病院
pp.397-401
発行日 1990年7月25日
Published Date 1990/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663900067
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はじめに
厚生省より提示された看護婦教育課程改正案に対する最初の疑問は,カリキュラムの改正前と後とでは卒業生の特性がどのように変化することを期待しているのであろうか,という点であった.改正の基本的な考え方は示されている.3000時間という総時間数も示されている.科目名と各時間数も示されている.各科目の教育内容に関しては,その主旨あるいは項目が示されている.しかし,カリキュラム改正によってそれまでの卒業生と比べて,改正後の卒業生の特性がどのように異なってくるのかが見えてこないのである.
私自身は,約12年間専任教員として看護学校に籍を置いていたが,聖路加看護大学大学院看護学研究科(修士課程)においての2年間の学びの期間を経て,今年の4月からは14年ぶりに臨床に戻り,直接看護に携わる身となった.したがって現在はカリキュラムを作成する立場ではなく,今後,新しいカリキュラムで教育された卒業生を臨床で迎えて,現場教育を行なっていかなければならない立場になったわけである.
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