巻頭言
リハビリテーション医学教育におけるアウトカム基盤型教育
下堂薗 恵
1
1鹿児島大学大学院医歯学総合研究科リハビリテーション医学
pp.442
発行日 2024年6月18日
Published Date 2024/6/18
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- 文献概要
近年,高等教育においては教育の質の保証が重視されている.医学教育においても国際基準に基づいた教育が実践されているか,各大学は日本医学教育評価機構(JACME)による第三者評価を定期的に受審している.今回,自学における医学教育について自己点検評価を実施する機会を得た.
まず,本学のアウトカム基盤型教育,すなわち学生が卒業時に学修成果として身につけるべき教育到達目標(アウトカム)を明確にして,教育プログラムが学年の進行とともに段階的に構成されていることを確認した.例えば,「プロフェッショナリズム科目」においては,医師としての人間性,生き方,倫理観などを習得するための科目が段階的に配置されている.
まず「新入生オリエンテーション」では,入院患者から新1年生宛てのメッセージを読んで,患者の置かれた状況や医学生として求められる行動についてグループ討議を行う.わがリハビリテーション科の教員もプロフェッショナリズムを涵養するためのプログラムに参画している.例えば「チーム医療1」では,低学年の学生がリハビリテーション病棟にて患者やリハビリテーションチームと接する場面を提供している.また,臨床実習前の「チーム医療2」では「多職種連携教育」に携わっている.医学生は脳卒中で片麻痺や失語を呈した模擬患者について,在宅復帰に向けた「模擬チームカンファレンス」に,将来,看護師や理学療法士,作業療法士,薬剤師となる学生とともに実際の専門職の協力も得て臨む.
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