視点
教育現場で考える「コンピテンシー基盤型」の公衆衛生教育
武林 亨
1,2
1慶應義塾大学大学院健康マネジメント研究科
2慶應義塾大学医学部衛生学公衆衛生学
pp.262-263
発行日 2018年4月15日
Published Date 2018/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401208863
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公衆衛生の修士教育を担う大学院と,医学部の両方で公衆衛生教育に関わってきた立場から,大学における公衆衛生の人材育成について考えてみたい.
2010年のランセット委員会の提言「Health Professionals for a new century:transforming education to strengthen health systems in an interdependent world」1)(以下,提言)に代表されるように,保健医療者教育のあり方が従来のものから「コンピテンシー(competency)基盤型」,すなわち時代に即した保健医療システムへの変革をもたらすことのできるような能力・資質を涵養する方向へと大きく舵を切られることとなったことは周知のとおりである.コンピテンシー基盤型教育は,卒業時に必要な専門家としてのアウトカム(能力)を定めてカリキュラムを構築する「アウトカム基盤型教育」とも呼ばれ,医学教育でもその枠組みでの教育プログラム評価が進んでいる.
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