実践報告
学内実習において実習物品の工夫がもたらす効果―模擬ストーマを活用してわかったこと
徳味 直未
1
,
中西 久美子
1
1三原看護高等専修学校
pp.742-747
発行日 2023年12月25日
Published Date 2023/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663202183
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はじめに
三原看護高等専修学校(以下、本校)は准看護師養成所であり、「看護職としての人間性を磨く教育の充実を目指す」を教育方針とし育成を行っている。近年は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)(以下、コロナ)の影響を受け、看護教育の場においても臨地実習が行えず、学内実習に代替となっている。本校もその1校である。
臨地実習では、患者や家族など対象者から体験を通じ多くのことを学べるが、学内実習では実際に対象者が存在しないため、対象者に合わせた援助の教授法に、どの学校も試行錯誤をしているのではないだろうか。
看護大学や専門学校など比較的大規模な学校では、シミュレーションやロールプレイ、ICT(Information and Communication Technology)の活用で臨地実習に近い環境をつくる工夫をしている様子が看護雑誌に投稿されている。しかし、本校は小規模な学校であり、物品や器材も限られ、教員の人数も少ない。学内実習では臨場感や緊張感に欠け、学生は実習に対する意欲も低くなり、主体的に取り組めずにいた。また、教員も校内実習において対象者に合わせた援助をどのように教えたらよいのかに悩んでいた。
そこで教員間で話し合い、学生に何を学んでもらいたいのかを再検討し、臨地に近い学びができるような教材を作製し、実習物品の工夫を行った。その一例として今回、模擬ストーマを作製して実習を行い、学生の学内実習に対する意欲に向上がみられたので、本稿で報告する。
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