特別記事
医療系学生のための「やさしい日本語」―表現力とコミュニケーションのマインドを学ぶ
朝居 朋子
1
,
伊藤 美保
1
1藤田医科大学保健衛生学部看護学科
pp.734-740
発行日 2023年12月25日
Published Date 2023/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663202181
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医療系学生が「やさしい日本語」を学ぶ意義
「やさしい日本語」は、相手に合わせてわかりやすく伝える日本語である。わかりやすさに重点を置くため、1文を短くする、結論を先に言う、語尾を明確にして文章を区切る、擬音語・擬態語は使わないなどのコツがある1)。日本語非母語話者だけでなく、子ども、高齢者、聴こえや理解に困難がある人などにもわかりやすい。
日本で生活する外国人が医療機関を受診する際に直面するのが「ことばの壁」と言われている。厚生労働省2)によると、2次医療圏ごとの多言語化率は年々高くなっているが、病院における医療通訳の人数は「0人」が93.1%、次いで「1人」が3.1%である。医療通訳設置病院で医療通訳がカバーしている日時は「平日の日勤帯」が84.3%、「電話通訳(遠隔通訳)を利用している」が15.0%である。
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