特集 実習記録再考
―省察的実践としての実習記録 3―自ら学ぶ学生をとおして振り返る教育のあり方
大橋 由紀子
1
,
岡本 朋子
1
,
前川 幸子
1
,
脇坂 豊美
1
,
田畑 愛実
1
,
板垣 紀子
1
1甲南女子大学看護リハビリテーション学部看護学科基盤実践看護学
pp.308-311
発行日 2023年6月25日
Published Date 2023/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663202097
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
白紙のノートで自ら学びを深める学生
本領域の統合実習では、「看護におけるケアリングを踏まえつつ、看護的な人間関係や看護実践の意味を探求する」ことに焦点を当てている。そのために実習記録は、「今日の振り返り」記録、「プロセスレコード」を含む10種類を使用する。これらの実習記録はフレームがあり、学生はそれに沿って実習記録を記載するが、どの実習記録を用いるかは自由としている。
加えて、「看護の学びを深めるノート」という白紙のノートを使用している。このノートでは、学生は枠組みにとらわれず、自分のなかから出てくる問いや気がかりについて、自由に探求しながら思考を深める。また、患者とのかかわりの際に抱いた自身の考えや感情などを絵や図に表すことで、自覚化していく。そうすることで、結果的に学生の看護実践が省察的な実践へ繋がっていくことを期待する学修方法である。本稿では、これらの実習記録のなかで、「今日の振り返り」記録と「看護の学びが深まるノート」を中心に取り上げ、学生の振り返りをとらえていく。
Copyright © 2023, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.