特集 緩和ケア
【コラム】自らの死生観を振り返りスピリチュアルケアの理解を深めよう
瀬良 信勝
1
Nobukatsu SERA
1
1亀田総合病院 緩和ケア室 チャプレン
pp.1070-1081
発行日 2014年12月1日
Published Date 2014/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3103900318
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医療現場で用いられるスピリチュアルケアという言葉は,漠然としており,とらえどころがなく,その実践もイメージが困難であるのが実状だと思われる。しかし,ホスピタリストは,意識するしないにかかわらず,スピリチュアルペインを含む全人的苦痛を抱えた患者の治療を日常的に担当している。本稿では,スピリチュアリティが全人的な生活の質(QOL)に必要不可欠なものであることを解説し,終末期の患者のQOLを含め患者のニーズに沿うための,スピリチュアルな領域でのケアのかかわりについて述べていく。その際に,スピリチュアルケアとよばれているものが,医療者がなじんでいる「問題解決志向」とは質的に異なる「関係性に基づくケア」であるとの理解が鍵となるだろう。そして,この関係性に基づくスピリチュアルケアは,患者が抱える苦しみの理解にとどまらず,医療者自身が自らの死生観を問うなかで生まれるケアであり,その理解と実践が望まれる。
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