特集 人生100年時代の看護師の養成―慢性疾患、ヘルスケア、生き方を見すえる
慢性疾患をもつ人に寄り添うということ―ケアの現象学の視点から
榊原 哲也
1
1東京女子大学現代教養学部人文学科哲学専攻
pp.20-24
発行日 2023年2月25日
Published Date 2023/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663202036
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本稿注1では、「ケアの現象学」注2の視点から、慢性疾患をもつ人に寄り添うケアについて考察する。筆者は看護師でも医師でもなく一介の哲学教員に過ぎないので、本稿のもととなった講演を準備するにあたり、慢性疾患看護専門看護師3名に、慢性疾患をもつ人がどのような病いの経験をしているのか、また、それに対して看護師がどのようなケアをしているのかについてインタビューを行った。本稿ではこのインタビュー内容にもとづいて、ベナーの現象学的人間観の5つのポイントとそれにもとづく現象学的看護理論の視点から、慢性疾患をもつ人の病いの経験がどのようなものであるのか、また、病いへの対処としてのケアはどのようなものであることが望ましいのかを、明らかにすることにしたい。
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