特集 人生100年時代の看護師の養成―慢性疾患、ヘルスケア、生き方を見すえる
高齢者の健康と生活を支えるヘルスプロモーション
山本 由子
1
1東京医療保健大学千葉看護学部
pp.26-31
発行日 2023年2月25日
Published Date 2023/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663202037
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わが国の高齢化率は世界で類をみない速さで進行し、1950年の4.9%から直近では29.1%(2022年9月)と報告されています1)。さらに、出生数の減少は続き、2008年をピークに総人口は減少に転じています。戦後の第一次ベビーブーム(1947〜1949年)生まれの人々が後期高齢者に達する2025年が目前に迫りました。
超高齢社会においては、慢性疾患をかかえ、医療を受けながら、日常生活に援助を得ながら生活する人々の増加が見込まれます。生産年齢人口の減少による労働力の低下と相まって少子高齢化が進行する社会において、医療・保健・福祉といった人々の健康にかかわる概念に、ヘルスプロモーションがあります。
その人なりの健康を維持し、疾病予防と療養支援へつなぐ視点、個人の生き方・あり方に寄り添う看護より、ヘルスプロモーションとはどのような活動か、定義の歴史を振り返り、わが国における施策と成果、そして実際の事例から具体的な看護の役割について、本稿では触れていきます。
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