臨床経験
慢性関節リウマチとL. E.細胞現象
池田 一郎
1
,
前田 晃
1
Ichiro IKEDA
1
,
Akira MAEDA
1
1国立白浜温泉病院整形外科
pp.84-87
発行日 1973年1月25日
Published Date 1973/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408904796
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緒言
1948年Hargravesらにより検出された,L. E.細胞は全身性エリテマトーデス(以下SLE)に特異的な所見とされ,このことはそれ以後の検出者によつても強調された2,3).従つてL. E.細胞陽性の慢性関節リウマチ(以下RA)はRAでなくSLEの部分現象とさえ考えられていた.一方1950年頃より悪性貧血1),粟粒結核,溶血性貧血,ハイドララジン長期投与例10),肝硬変などにも少数例ながら検出され,RAにも同様に報告されるに従い,L. E.細胞現象は決してSLEに特異的な現象でないことが認識されはじめ,それと同時にこの細胞を中心としてSLEとRAの関連が論議されるようになつてきた.RAにおけるL. E.細胞現象陽性率に関する外国の文献は多いが,本邦においては極めて少ない18).
今回,著者らは62症例のRAとその他の症例16例につき,L. E.細胞を検討したのでその結果を報告するとともに,その意義について論じた.
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