実践報告
日本人看護学生と外国人介護学生の異文化相互理解のための授業
長嶺 めぐみ
1
,
上星 浩子
2,3
1群馬パース大学看護学部看護学科
2群馬大学大学院保健学研究科
3前・群馬パース大学保健科学部看護学科
pp.732-738
発行日 2022年12月25日
Published Date 2022/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663202022
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はじめに
日本は超高齢社会を迎え、介護人材の不足が問題となっている。この人材不足を補う施策の1つとして、「介護ビザ」の運用が2017年より開始となった1)。医療施設においても在留外国人などが受診する機会が増加しており、看護職・介護職の異文化コミュニケーション能力の獲得が期待されている。
群馬パース大学(以下、本学)は、医療系学部と福祉専門学校とを備えており、将来医療・福祉サービスの分野に従事する人材の育成を担っている。福祉専門学校は、EPA(Economic Partnership Agreement、経済連携協定)による介護福祉士候補の受け入れが進み、介護福祉士の資格取得をめざす留学生は入学者の7割を超える。看護職・介護職の対象は人であり、対象理解や多職種協働が重要であるが、留学生は日本文化の理解や日本人との人間関係、コミュニケーションなどに不安を抱えている現状もある。また、異文化における生活・就職は強いストレスとなりやすく、外国人人材のメンタルヘルスを維持することは重要な課題である。多職種が連携し質の高い援助を行っていくためにも、互いの文化を理解することが重要である。
そこで今回、本学看護学科と福祉専門学校とで合同授業を行い、看護学生および外国人介護学生が互いに文化を理解するための教育的介入を行ったので報告する。
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