What's your diagnosis?・17
異文化コミュニケーション
島田 利彦
1
,
新保 卓郎
2
,
野口 善令
1
1藤田保健衛生大学一般内科
2京都大学医学部附属病院総合診療科
pp.383-385
発行日 2004年5月1日
Published Date 2004/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414100878
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
病歴
パキスタン(イスラマバード)から留学のため来日した20歳代の男性.日本語はほとんど話せず,医師とは互いにおぼつかない英語でコミュニケーションしている.
主訴:高熱,悪心,嘔吐.
現病歴:8カ月前の来日以来,今回の罹病までは全く健康であった.入院9日前の夜に急に発熱と嘔吐が生じ,翌日の昼には全身の筋肉痛を伴うようになった.このため救急外来を受診したが,37.1℃の発熱と軽度の咽頭発赤,CRP 1.2 mg/dlなどの非特異的所見しか認めなかったために,上気道炎の診断で経過観察となった.その後も腹痛や嘔吐,著明な発汗を伴う高熱を訴えて数回外来を受診したが同様の所見であり,その度に経過観察となっていた.入院日の救急外来受診時も高熱はあったが,局所所見に乏しく非特異的ウイルス性疾患を考えさせられた.しかし重篤感を伴い,検査所見でも血小板減少や貧血の進行を認めたために,経過観察目的で同日深夜入院となった.
Copyright © 2004, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.