特集2 遠隔授業はより身近に
異文化の看護を結ぶCOIL型授業
根岸 まゆみ
1
,
渡邉 順子
2
1静岡県立大学看護学部
2静岡県立大学大学院看護学研究科
pp.408-415
発行日 2020年5月25日
Published Date 2020/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663201484
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COILとは
文部科学省は、大学において、COIL型教育を活用したプログラムの構築・実施に取り組んでいる。COIL(Collaborative Online International Learning)とは、オンラインを活用した国際的な双方向の教育手法を意味する1)。情報通信技術を活用し、遠隔地の学生と連携しながらさまざまな分野のプロジェクトを実施することで、国内にいながら海外の大学生と協働して学習できる。
この事業の背景には、2017年に米国においてトランプ政権が誕生した際に、米国人学生の外国への関心を高める必要性と、日本におけるグローカル人材(グローバルマインドをもちながら地方創生に貢献できる人材)の輩出というニーズが日米間で合致したことがある1)。米国においては日本の大学への留学数が少なく、また、日本においても米国の大学への留学数が減少しており、国家間の認識が乏しい現状が憂慮された。インターネットの普及により国外のさまざまな情報を瞬時に得られるようになった一方で、多文化理解のためにはその教育的な強化が求められる。留学することなくリアルタイムで多文化教育を共有する経験は得がたいものといえる。
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