特集 今こそ新人看護師支援を 移行期に教育機関ができること
―東京慈恵会医科大学の新人看護師移行期支援―師長が語る背景と展望①
小嶌 順子
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1東京慈恵会医科大学附属病院看護部
pp.696-697
発行日 2022年12月25日
Published Date 2022/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663202010
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2021年4月、東京慈恵会医科大学附属病院(以下、附属病院)では134名の新人看護師・助産師を迎えた。2020年からの新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響を受け、2021年度入職の新人は学生時代に臨地実習が短縮・中止せざるを得ない状況下にあった。入職時のアンケート調査によると、予定どおり実施された実習は、基礎看護学実習で77%ほどであったが、母性看護学・小児看護学実習で50%ほど、老年看護学・成人看護学実習で30%ほどであった。予定どおり実施されなかった実習の対応として、「時間短縮」「完全中止」「学内演習、Webによる遠隔実習」と回答されていた。
臨地実習の経験が乏しいことで、看護技術面への不安を抱える新人も多く、なかには最後の実習から1年以上の期間があいてしまい、患者とのコミュニケーションに対する不安を訴えた新人もいた。また、就職における施設見学・インターシップも中止となっており、入職して初めて施設に足を踏み入れることになり、寮生活や1人暮らしなどの環境の変化により、新人は緊張感が高い状況下にあった。
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