教室だより
東京慈恵会医科大学
pp.418
発行日 1969年5月20日
Published Date 1969/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413200682
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わが東京慈恵会医科大学は,法規的には大正10年10月19日設立されたのであるが,実質的には明治14年5月1日に泰西医学の講習を施す目的で開設された成医会講習所に始まり,本年は89年目に当る。
本学の泌尿器科学講座は大正11年2月に創設され,初代教授には第1回および第6回泌尿器科学会総会の会長をつとめられた朝倉文三氏(明治21年東大別科卒)が招かれた。朝倉教授は留学から帰られて,本邦に初めて膀胱鏡を紹介したと伝えられ,膀胱鏡検査法を大正3年吐鳳堂書店から出しておられる。昭和4年朝倉教授が退職し,後任には大正元年本学卒,ミシガン大学で泌尿器外科を修めてこられた渡辺一郎氏が就任した。同教授は昭和10年に既に前立腺肥大症の経尿道的切除術を行なつたりしたが,最も得意としたのは結核腎の剔出であり,在任中に剔出腎は1000例を数えたといわれる。昭和26年1月渡辺教授が急逝され,翌昭和27年1月に本学第1外科助教授だつた南武教授が就任された。
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