連載 看護教員のつぶやき・no.1【新連載】
「活動の援助」をどう教えるか
加藤木 真史
1
1神奈川県立保健福祉大学保健福祉学部看護学科
pp.256-259
発行日 2022年4月25日
Published Date 2022/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663201926
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「活動の援助」への疑問
皆さんは「活動の援助」や「離床の援助」について、どのような授業をされていますか? 基礎看護学の教員として学生と病院などへ臨地実習に行くと、特に安静が必要ではない状態でも、多くの時間をベッドで臥床して過ごす患者さんに出会います。そのような患者さんに対して学生は「活動を促す援助」を考えようとするのですが、これがなかなか難しいようです。「廊下の歩行」や「筋力のトレーニング」しか思いつかないと相談されることがよくあります。もちろん、それらの援助を否定するつもりはありませんが、学生が困難を感じる原因は、基礎看護技術の「活動の援助」の内容にあるのではないか、と私はいつも感じています。
基礎看護技術に関する多くの教科書では、「活動の援助」として体位変換と移動介助(車椅子、ストレッチャー、歩行)が取り上げられています。これらの技術は、自力で体を動かすことが難しい方が、安全・安楽な体位を保ち、また目的の場所に移動するために重要です。しかし、体位変換と移動介助という「移動の援助」だけが「活動の援助」なのでしょうか。療養生活のなかでいかに活動的に過ごすのか、という視点で「活動を促す援助」を考えられるような授業が必要ではないかと思うのです。
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