特集 ここまでできる外来看護
精神科外来における保健婦の援助活動
太田 知子
1
1千葉県精神医療センター
pp.640-643
発行日 1999年7月1日
Published Date 1999/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661905880
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はじめに
一般に医療の原形は外来医療である.それは「患っている者」が医療機関に通って医療を受けるというものである.しかし精神科医療では歴史的経過からみると,患者は他者を「煩わせる者」という一般社会のとらえ方から,患者を礼会から隔離あるいは収容するところから出発している.このことは一般医療との大きな違いである.隔離・収容があたりまえの状況からは,外来医療という考え方は生み出されてこない.
しかし精神科の医療構造は,ここ数年間で目ざましい変化を遂げている.精神保健法の改正,障害者基本法への参加,ノーマライゼーションの提唱などにより,患者の生活の場は地域であるという考え方に変わってきている.このことは「在宅ケア」の推進であり,「入院医療」から「外来医療」への重点移動であるといえる.現在「在宅ケア」を進めるために精神科の医療機関ではさまざまな試みが行なわれている.
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