特別記事
臨地実習中における看護学生の睡眠不足とその影響
塚本 恭正
1
1岩手医科大学看護学部
pp.1150-1155
発行日 2021年12月25日
Published Date 2021/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663201871
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睡眠には心身の疲労を回復するはたらきがあります1)。睡眠時間が不足して休養感が得られなくなると、注意力や集中力の低下、意欲の低下、生産性の低下に加え、事故やヒューマンエラーの危険性を高めます。生理学的には睡眠が不足することで前頭前野や大脳辺縁系の活動が低下し、ストレスホルモンのコルチゾールの分泌が増加することが知られています。
休日に寝だめをすることで平日の睡眠不足を補おうとする人もいますが、ある程度の効果しかもたらしていません。かえって寝だめをすることで夜間の睡眠が妨げられ、週初めの日中に眠気を催してしまう場合もあります。睡眠不足が長く続き、いわゆる睡眠負債をかかえると疲労の回復が難しくなり、うつなどの精神症状、頭痛や消化器系などに症状が現れやすくなります。
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