連載 リレーエッセイ 医療の現場から
最近の医師不足,看護師不足問題について
谷野 亮爾
1
1医療法人社団和敬会谷野呉山病院
pp.367
発行日 2007年4月1日
Published Date 2007/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541100536
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“医療崩壊” がここ半年,ほぼ連日マスコミで取り上げられている.その要因として,医師不足,看護師不足が挙げられる.
私は1969年の大学紛争時代に金沢大学を卒業した.当時も盛んに医局解体が叫ばれたが,今日,本当に医局は解体してしまった.当時は教授を頂点とした封建的権力構造,無給医局員等が問題になっていた.しかし,誰も大学医局および大学における医療・教育を今のようなカオスの状態にすればよいとは思っていなかったはずである.実力は別としても,当時の大学教授の多くは何かしらのオーラを発しており,それに惹かれて各医局にバランスよく入局していたように思う.そしてやり方に問題があったにせよ,関連病院にもそれなりに医師を派遣していた.この権力構造が良いか悪いかは別であるが,現在の無政府的な状況より良かったのではなかろうか.
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