綜説
睡眠不足症候群
-――認知が不十分だが重要な疾患
神山 潤
1
,
安西 有紀
1
1公益社団法人地域医療振興協会東京ベイ浦安市川医療センター
キーワード:
過眠症
,
覚醒困難
,
眠気
,
昼夜逆転
,
睡眠表
Keyword:
過眠症
,
覚醒困難
,
眠気
,
昼夜逆転
,
睡眠表
pp.43-50
発行日 2023年1月1日
Published Date 2023/1/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000002449
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過眠症の1つである睡眠不足症候群はInternational Classification of Diseases for Mortality and Morbidity Statistics,11th Revision(ICD-11)に収載されたが,わが国の小児科医における認知度はいまだ低い.必要な睡眠時間は個人差が大きいので,本症の診断を一律の睡眠時間で決めることはできない.本症に多い主訴は「朝起きることができない」と「昼間の眠気(授業中/試験中の居眠り)」だが,過度の朝寝坊から,夜間の不眠を経て昼夜逆転にも容易に陥る.治療の基本は睡眠時間を増やすことに尽きるが,社会の要請との狭間でこの治療は決して一筋縄ではいかない.自験例と筆者の診療フローを紹介することで,本症が広く周知され,適切な対応が早期からなされることを期待している.
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