特集 なにを、どう教える? はじめての看護学概論
「看護学概論」教授時に、自分のなかで大切にしてきたもの
小池 祥太郎
1
1青森県立保健大学健康科学部看護学科
pp.404-409
発行日 2021年5月25日
Published Date 2021/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663201721
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
「看護学概論」における教授内容は多岐にわたります。実際の授業で網羅することは時間的に難しく、担当する教員が選別して教授することが多いと思います。まず、この段階で悩む教員が多いのではないでしょうか。そして、教えるべき内容を決めても、それらをどのように伝えればいいのかも難しい問題です。私自身、この原稿を書きながら「看護学概論」という授業を振り返り、整理しながら、今後に活かせるようにしていきたいと思います。
私はいたって普通の看護師で、認定看護師や専門看護師などの資格をもっているわけではありません。いわゆるジェネラリストです。また、教員免許をもっているわけでもなく、教育方法に関して教育機関で勉強した経験もありません。そんな私が教員になったばかりの頃でも、看護技術の授業はなにをどう教えるべきかある程度イメージできていました。理由は簡単です。看護師として毎日行っていた看護技術ですので、それらを学生に「〜ができる」という学習目標を設定し、それらを達成できるようにすればいいわけです。もちろん、学生への指導が簡単というわけではなく、教員としてやるべきことがイメージできていたという意味です。
しかし、「看護学概論」は違っていました。なぜ看護師である私は、看護の概論という、看護の基礎についてなにをどのように教えるべきかをイメージできなかったのでしょうか。そこから考えていきたいと思います。
Copyright © 2021, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.