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はじめに
神戸市看護大学(以下、本学)は、阪神淡路大震災直後の1996年に開学した、学部・大学院合わせて総定員500名弱の単科の小規模校である。震災からの復旧・復興の過程を市民と共に歩み、開学以来一貫して、市民病院群はじめ多数の地域の保健医療福祉施設と連携し、地域住民と「共に学び、共に育つ」取り組みを重ねてきた。2019年4月に公立大学法人化し、これまでの取り組みをいっそう発展させるべく計画を練っていた矢先の、今回の新型コロナウイルス感染症(以下、COVID-19)感染拡大であった(表)。
●経過:3月中旬から5月末まで
本学では小規模校ゆえの強みを活かし、卒業式と入学式を、学生、教職員に限定し、感染予防対策を徹底したうえで、対面形式で挙行することができた。オンライン授業の実施を決定したのは2020年3月下旬だったが、多くの教員が初体験となるZoomとMoodleの使い方を短期間で習得し、在学生(新2〜4年生)は学年歴どおり4月8日から、新1年生もやや遅れたが4月20日から授業を開始することができた。一方、3月下旬からは、兵庫県や神戸市のCOVID-19対策へも積極的に協力支援してきている。
5月の連休明けには、非常勤講師のオンライン授業を開始。6月から開講される基礎看護学実習と分野別実習をオンラインで実施することも決定し、入念な準備を経て6月1日から予定どおり実習をスタートさせた。授業については、5月25日の緊急事態宣言解除を受け6月1日から、全学年で週1日のみではあるが対面授業を再開した。
6月10日には、7月からの4年生の総合実習を、一部オンラインを混ぜつつも臨地実習として開講することに決定。実習施設の多大なる協力と、教員、学生間でのさまざまな検討と意見交換のもと、約3週間の準備期間を経て、無事7月22日に総合実習を終えることができた。
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