小特集 病院の「アクティビティ」を考える
院内の協力体制と地域との和
若月 俊一
1
1佐久総合病院
pp.303-308
発行日 1982年4月1日
Published Date 1982/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541207713
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日本の病院長はプレジデント?■
院長のリーダーシップという問題は今日の病院の実体の中で重要だと思います.アメリカでは,病院長は医師ではなく,スーパーバイザーとして病院経営の専門家がなっている.ところが,我が国ではメディカル・テクノロジーの最高の医師が医局のドクターのまとめ役として医学と技術の統括者の形で院長としておさまっている.これはいわばプレジデントとしてですね.私自身もちろん医師で,院長としての仕事をしているわけですが,日本の病院ではなんと言っても医局というものが大事ですからね.医局編成などという…….こんな仕事は今日の日本では,「医者の院長」でなけりゃ務まらないのではないでしょうか.もちろん,その他に,私など実際にやってみてよく分かるんですが,院長というものの社会的役割の重大さですね.院長たるものは病院の経営や運営の技術にもたけてなきゃならない.外交的手腕とか経営技術とかいうものも必要です.
日本の場合,医者の病院長がそれを兼ねなくちゃいけないわけですが,その点には良い面と悪い面とありましょう.病院長のリーダーシップの確立ということの中には,経営,運営の技術や才能だけでなく,日本的に言うと何か医師としてのモラル的なもの,医の倫理的なものが入っていなくてはならない.
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